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2021/11/26
吉浦康裕監督×美術監督・金子雄司登壇!スタッフトーク上映会 〜美術篇〜 レポート!

ポンコツ“AI”とクラスメイトが織りなす、爽やかな友情と絆に包まれたハートフルエンターテインメントフィルム『アイの歌声を聴かせて』が絶賛公開中です!

10月29日(金)に公開を迎え、公開初週の満足度調査では、満足度97.3%(10/29-10/31 劇場出口調査)、公開から約1ヶ月がたった今も、「Yahoo!映画」ユーザーレビュー4.3、「映画com」レビュー4.0、「Filmarks」レビュー3.9点と軒並み高評価を受け、(11/25付)SNSでも「今年圧倒的なナンバーワン映画」「2回目からが本番と誰かが言ってたけど納得」「何回観ても満足感を得られる」などとリピーターが続出し、絶賛の声が上がる本作。そんな本作のロングラン上映を記念し、新宿ピカデリーにて原作・脚本・監督を務めた吉浦康裕、美術監督の金子雄司登壇のスタッフトーク上映会を実施いたしました♪

 

【スタッフトーク上映会 〜美術篇〜 レポート】

 

今回で3度目となるスタッフトーク上映会だが、音楽・脚本に続き、今回は、『サカサマのパテマ』以降全ての吉浦監督作品で美術監督を務めているという金子氏を招き、『アイの歌声を聴かせて』を支える背景美術についての制作秘話やこだわりをたっぷり紹介。

美術監督とは、キャラクターではなくその後ろの風景を担当し、映画にあった雰囲気や色合いを考え、ロケーションを考えていく役割だと語る金子は、「吉浦監督からは、シオンが“シオンちゃん”になりきる前の状態から話を聞いていたので、最終的にどういう話になるのかなと思っていましたね」と、まだ女子高生のAIという設定が決まる前の企画段階からオファーを受けていたことを語り、「『AIのキャラクターがでてくる世界観でのドタバタ劇でミュージカルをやってみようと思っている』と吉浦さんから聞き、ずいぶんハードルが高い作品を・・・と思った。『そうなんですね(笑)』とさっぱりイメージがつかなかった」と苦笑まじりに当初の思いを明かした。

吉浦が「今回は具体的に動き出してからようやく掴めたと話していましたよね?」と振ると、「コメディなのかシリアスなのか作品のリアリティラインがなかなかわからず、ロケーション探しなどもなかなか難航しましたよね」と制作当時を振り返った。本作では数々のロケ地を参考にして作られているが、メインのロケ地のひとつとなった佐渡島には金子の提案でロケに行ったと吉浦が明かし、金子は「吉浦さんが田舎風景を探していて、『行くだけ行ってみる?』と1泊で車で行きましたよね」とコメント。現地に行ってみると、ストーリーの陽気な部分と少し影もありそうな部分もあり、メインのロケ地に決まったという。

吉浦は「金子さんは演出家的なところもあると思っていて、ロケーションやキャラクターの心情から逆算して、色味や空気感を作ってくれる。本作は、学校のシーンが多くロケーションとしては小さく閉じているけれど、金子さんの美術は、何気ないカットをちゃんと成立させてくれて、助かっている」と絶賛。さらに『サトミの小学3年生の頃の回想シーン』を例に出し、「通常、『ここは小学校ですよ』という引きの絵で見せたくなるけれど、今回は一切そういった紹介をしていない。バストショットだけど背景に習字の絵があり、すぐに小学校だとわかる!」と語ると、金子は喜びながらも「吉浦さん、基本的にコンテ時点で説明カット少ないじゃないですか、割と困ってはいて・・・(笑)」と語り、笑いを誘った。

 

そして、小学生時代の習字の文字は、美術スタッフ達が墨汁を用いて実際に描き、キャラクターが泣いているシーンだから『笑顔』をいう文字にしたというこだわりも明かした。そのほか、図書館の背景の本のタイトルなどにもあそび心が隠されているというが、吉浦からの「遊びを入れて欲しい」などの指示は一切なく、「ずっと一緒にやってきたので、金子さんに任せている」と信頼のコメント。そして、「金子さんはずっと『美術は目立てば良いものじゃない』と言っている」というと、金子は「そうですね、美術は添えるだけで良いという感じで、スラムダンクでいう左手みたいなものです」と笑った。

さらに、吉浦が「金子さんは、フィルムを通したような色の作り方をするじゃないですか?」と投げかけると、金子は「できるだけそういうルックにはしたいと思っています」と返し、吉浦は、「『サカサマのパテマ』の時は金子さんが何を言っているか半分くらいしかわからなかったから勉強しました」と白状。

さらに吉浦は「ロジックでかく側面もありますよね?」と問いかけ、金子は「できるだけ気分でやりたいので、そのための積み立てとして事前に理屈が必要だなと。」と心掛けていることを語った。本作について金子が「今回はキャラクターの多い群衆劇なので、あまり美術が前に出過ぎてしまうと、2時間近く見ている観客は疲れてしまうので、ちょうどいい頃合い・見え方を探ったりしました」と語ると、吉浦は「ほら!こういうことを考えてくれるんですよ、金子さんは!」と感激の様子で、「今日聞いて初めて知るような工夫が、いつの間にか映画の細部に込められていることがある。映画監督である自分はあくまで代表者で、みんなが感じた感動は、スタッフ全員のこだわりによるもの。今日はその話が聞けてよかった」とさらに感謝を込めて語った。

本作を美術で支えた金子だが、【本作で苦労した点は?】と聞かれ、「今回は監督が、全部3Dでレイアウトを作るという途方もないことをやっていたので、見た目のすっきりさに対してすごく時間がかかっちゃったなという印象でした」と当時を振り返ると、すかさず吉浦は「本当にご苦労をおかけしました!」と謝罪し、再び会場は笑いに包まれた。金子が「すっきりさ加減というのは人によって違ったりするので、統一感を出すためにたくさん工夫しましたね。あとは『吉浦さんだとこうだろうな』と感覚的にわかっていたので」と語ると、吉浦は「確かにそれはすごく感じましたね」と返し、お互いへの信頼を感じる掛け合いを見せた。

そしてイベントも終盤に差し掛かり、金子は「背景は縁の下の力持ちで、美術としては、作品全体を居心地のいいものになるように努めているので、映画の雰囲気を楽しんでもらえたら嬉しい限りです」と語り、吉浦は「背景美術は、面積的にはキャラクターよりも多い構成要素で、映画の中でとても大きな要因。今日は金子さんと話せてよかった。各セクションのスタッフが全員で作った作品だから、現場のスタッフとトークショーをしたいとずっと思っていたので、今日は夢が叶って嬉しい」と熱いコメントを残し、イベントを締めくくった。


© 吉浦康裕・BNArts/アイ歌製作委員会